前進4打(プレー4)とは?数え方とダボで上がる使い方

松林とツツジに囲まれたゴルフコースの風景(記事タイトル「前進4打(プレー4)とは?」入りのアイキャッチ)

OBを打っても、終わりじゃありません。前進4打を味方にしましょう

「せっかくのラウンドなのに、ティーショットがOB……」

朝いちのティーグラウンドでこれが出ると、その日のスコアを半分あきらめてしまいますよね。私も独学を始めた頃は、OBを打つたびに頭が真っ白になって、そこから2打、3打と重ねて、気づけば1ホールで9打——ということを何度もやりました。

でも、先にお伝えします。OBだけでは、そのホールの終わりではありません。

多くのゴルフ場には「前進4打(プレー4)」というローカルルールがあります。これを使えば、ティーショットがOBになっても、そのホールはダボ(ダブルボギー)で上がれます。そして100切りは、基本ダボで回れば届く世界です。

ただし、条件がひとつだけあります。特設ティーから打つ「4打目」を、ショートアイアンでグリーンに乗せられること。ここが打てないと、せっかくのルールも活きません。

この記事では、独学でシングルまで到達した私の経験から、①前進4打の正しい数え方と使い方、②前進4打からダボで上がるホールの組み立て、③そのために本当に磨くべき練習をお伝えします。

目次

前進4打(プレー4)とは?OBのとき「4打目」から再開できるローカルルール

前進4打(ぜんしん4だ)とは、ティーショットがOBになったとき、フェアウェイの途中に設けられた特設ティーから「4打目」としてプレーを再開できるローカルルールです。「プレー4」「プレーイング4」「特設ティー」とも呼ばれ、オレンジ色の杭や看板が目印になっていることが多いです。

正式なゴルフ規則では、OBの処置は「1罰打を加えて、元の場所から打ち直し」です。ティーショットがOBなら、次に打つのは3打目。ですが、これでは全員がティーグラウンドまで戻ることになり、後ろの組を待たせてしまいます。

そこで進行をスムーズにするために、多くの日本のゴルフ場が独自に採用しているのが前進4打、というわけです。

なぜ「4打目」なのか——打数の内訳

「なぜ2打目でも3打目でもなく、4打目なの?」と思いますよね。内訳を分解すると、こうなっています。

内容打数
ティーショット(OBになった1打)1打
OBの罰打1打
打ち直したと“仮定”する1打1打
消費した打数の合計3打
→ 特設ティーから打つのは4打目
前進4打で消費する打数の内訳:ティーショット1打+OBの罰打1打+打ち直したと仮定する1打=3打で、特設ティーから打つのは4打目になることを示した図解

つまり前進4打は、「ティーグラウンドまで戻って打ち直した」ことにして、その打球が前方の特設ティー付近に落ちたものとみなす仕組みです。打数の上では損も得もしていない、と考えると分かりやすいと思います。

ポイント

特設ティーから打つのは4打目。「1打目+罰打+仮定の1打=3打消費」と覚えておけば、スコアの記入で迷いません。

特設ティーはどこにある?ティーアップしてもいい?

特設ティーは、フェアウェイの中ほど、グリーンまで100〜150ヤード前後の位置に設けられていることが多いです。オレンジや黄色の杭、「Playing 4」と書かれた看板などが目印です。

よく聞かれるのが「特設ティーでティーアップしてもいいのか」という点ですが、これはコースによって運用が違います。ティーアップを認めているコースもあれば、そのままの状態で打つよう案内しているコースもあります。

判断に迷ったら、スコアカードやカート内の掲示を確認し、それでも分からなければ同伴者やキャディさんに聞くのが確実です。ローカルルールは「そのコースの決めごと」なので、コースの案内に従うのが正解です。

前進4打が使えない場面

便利な前進4打ですが、いつでも使えるわけではありません。次のような場面では使えない、または使わないのが原則です。

こんなときは使えません
  • 競技のとき:クラブ競技や公式競技では、原則として採用されません。正式なルール(1罰打・打ち直し)で処置します
  • ペナルティエリアに入った球池や谷などのペナルティエリアは、専用の救済処置があります。前進4打の対象外です
  • 暫定球を打って、それがインプレーになった場合:暫定球を打つこと自体は問題ありません。ただし暫定球でプレーを続けると決めた後から、前進4打に戻すことはできません
  • セカンドショット以降のOB:多くのコースでは「ティーショットがOBのとき」に限定して案内されています
  • そもそも特設ティーがないコース:設置していないコースもあります

2019年の新ルール「前方の救済(2罰打)」とは別物

2019年の規則改定で、OBやロストボールのときに2罰打を加えて前方から打ち直せるローカルルール(モデルローカルルールE-5)が新しく認められました。これと前進4打は、よく混同されます。

打数の考え方は同じで、ティーショットがOBなら次は4打目です。違うのは「どこから打つか」の決め方です。

前進4打(特設ティー方式)新ルールの前方の救済(E-5)
打つ場所コースが設置した特設ティー球がOBになったと推定される地点とフェアウェイの基準点から決める救済エリア
決め方場所が固定されていて分かりやすいその都度、自分で基準点を決める
採用日本の多くのコースで昔からの慣習コースが採用を宣言している場合

どちらを採用しているかはコース次第です。看板や掲示に「Playing 4」「前進4打」とあれば、こちらの特設ティー方式だと考えて大丈夫です。

前進4打を使えば、そのホールは「ダボ」で上がれる

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

パー4なら、4打目を乗せて2パットで「6打」

パー4のホールで、ティーショットがOBになったとします。

  1. 特設ティーへ移動して、4打目
  2. その4打目をグリーンに乗せる(残り100〜150ヤード)
  3. 2パットで、合計6打

パー4の6打は、ダブルボギーです。OBを打ったのに、スコアはダボ。これが前進4打の力です。

パー5なら「7」で上がれる

パー5でも考え方は同じです。特設ティーから4打目、5打目でグリーン周りまで運び、寄せて2パットなら7〜8打。パー5の7打は、やはりダブルボギーです。

なお、パー3には通常、特設ティーは設けられていません。

大叩きの正体は「OB」ではなく、OBのあとの焦り

私の経験上、1ホールで8打、9打と叩いてしまうときは、たいていOBそのものではなく、そのあとの立て直しで崩れています。

OBを打ってしまった焦りから、もうミスは出来ない、取り返そうと力んで、また曲げる。そこから慌てて頭が真っ白になって、さらにミスをする——この連鎖です。OBで失うのは2打ですが、この連鎖では4打も5打も失います。

ティーショットがOBになったあとの2つの分かれ道:焦って取り返そうとして大叩きする流れと、前進4打で切り替えてダボで上がる流れを比較した図解

前進4打の本当の価値は、打数の節約ではありません。OBのあとに気持ちを切り替えられることにあります。落ち込んでいる時間も、取り返そうと力む場面もつくらずに、前へ進んで4打目を打つ。やることが決まっていれば、焦りの連鎖は始まりません。

「OBが出たら前進4へ行って、ショートアイアンでダボを取る」。ラウンド前にこう決めておくだけで、OBはただの通過点になります。

OBを織り込んだうえで100を切るスコアの考え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

100切り=ダボペース。だからティーショットは思いっきり打っていい

なぜ「ダボで上がれる」ことがそれほど大事なのか。100切りに必要なスコアの考え方を知ると、腑に落ちると思います。

全ホール ダボなら108、半分をボギーにできれば99

パー72のコースを全ホール ダブルボギーで回ると108。ハーフ(9ホール)なら54です。そして、半分のホールをボギーで拾えれば99——100切り達成です。

パーもバーディも、ひとつも要りません。これが「100切り=ダボペース」という考え方です。

前進4打があるから、OBは致命傷にならない

この前提に立つと、OBの見え方が変わります。OBを打っても、前進4打からダボで上がれるなら、ダボペースの計算は崩れない。つまりOBは「最初から計算に入っているミス」でしかありません。

さらに言えば、18ホールのうちパー3が4ホールあるので、ドライバーを握るのは最大でも14ホール。そのすべてがOBになることは、まずありません。さらに、パー5も4ホールあります。

だから、ティーショットは思いっきり振っていい

OBを恐れて縮こまったスイングは、楽しくないうえに、スイングそのものを崩します。ドライバーを振り抜いて、ボールが青空へ飛び出していく——あの気持ちよさこそゴルフの醍醐味です。

ティーショットは思いっきり打つ。OBが出たら前進4打からダボを取る。この2つはまったく矛盾しません。

ダボペースのスコア早見表や、ドライバーとの付き合い方は、こちらの記事にまとめています。

前進4打からダボで上がるカギは、4打目のショートアイアン

ここまで読んで、お気づきかもしれません。前進4打を活かせるかどうかは、ルールの知識ではなく、4打目をしっかり打てるかどうかで決まります。

特設ティーからの距離は、まさにショートアイアンの距離

特設ティーからグリーンまでは、100〜150ヤードであることがほとんどです。ウェッジから8番アイアンで十分に狙える距離。つまり、ショートアイアンの距離です。

私も100切りを目指していた頃、OBして前進4から9番アイアンでグリーンに乗せ、2パットでダボ——というホールを何度も経験しました。OBを打ったのに、スコアは計算どおり。あのときの「まだ大丈夫だ」という安心感は、今でもよく覚えています。

ここが打てないと、ルールを知っていても救われない

逆に、この4打目をトップやダフリでミスすると、5打目・6打目とグリーン周りをさまよって、結局トリプル以上。前進4打を知っていても、スコアは助かりません。

ショートアイアンがしっかり打てる。100〜150ヤードを「だいたいグリーンに乗せられる」。この一点があるかどうかで、OBの怖さはまったく変わります。

ショートアイアンをなぜ上達の「柱」に据えるべきなのかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

だから練習は、ショートアイアンの基礎に戻る

練習の7割をショートアイアンに

練習場でつい打ちたくなるのはドライバーですが、スコアを作っているのはショートアイアンです。練習の7割をショートアイアン(8番〜ウェッジ)に充てる。これが私の考える黄金比です。ドライバーは「気持ちよく振り切る」感覚を確認する程度で十分です。

1球ごとに目的を持つ(量より質)

同じ100球でも、ただ打つ100球と、1球ごとに狙いを決めて打つ100球では、結果がまったく違います。ターゲット、球筋、距離——1球ごとに決めてから打つ。この積み重ねが、本番の4打目に効いてきます。

練習の質を上げる具体的な方法は、こちらの記事にまとめています。

独学の壁:正しい基礎かどうかは、自分では判断できない

ただ、ここに独学の限界があります。自分のショートアイアンが「正しいスイング」で打てているかは、自分では判断できません。私は独学で3年かけて遠回りをしましたが、いま振り返れば、最初に土台だけプロに見てもらっていれば、もっと早く安定していたはずです。

前進4打からダボを取る戦略は、4打目を「しっかり打てる」ことが前提です。その土台づくりだけでも、プロの目を借りる価値は十分にあります。

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前進4打に関するよくある質問

前進4打は何打目から打つ?

特設ティーから打つのは4打目です。「ティーショット1打+OBの罰打1打+打ち直したと仮定する1打=3打」を消費した状態から再開するためです。

特設ティーでティーアップしてもいい?

コースによって運用が異なります。認めているコースもあれば、そのまま打つよう案内しているコースもあります。スコアカードやカートの掲示を確認し、分からなければ同伴者やキャディさんに確認しましょう。

前進4打は必ず使わないといけない?

いいえ。正式なルールどおり、1罰打を加えて元の位置から打ち直すこともできます。ただし後ろの組を待たせることになるので、アマチュアは前進4打を使うのがマナーです。

競技でも使える?

クラブ競技や公式競技では、原則として採用されません。競技に出るときは、正式なルールでの処置を覚えておく必要があります。

暫定球を打ったあとに、前進4打へ切り替えられる?

できません。暫定球を打つこと自体は問題ありませんが、暫定球でプレーを続けると決めた時点で、そちらがインプレーの球になります。前進4打を使うつもりなら、暫定球は打たずに特設ティーへ向かいましょう。

まとめ:OBは終わりじゃない。ダボで上がって、100切りへ

最後に、この記事の要点をまとめます。

この記事のまとめ
  • 前進4打(プレー4)=ティーショットOBのとき、特設ティーから4打目で再開できるローカルルール
  • 打数の内訳は「1打目+罰打+仮定の1打=3打消費」
  • ティーアップの可否や使える条件はコースの案内に従う
  • パー4なら、4打目を乗せて2パットで6=ダボ
  • 100切り=ダボペースなので、OBが出ても計算は崩れない
  • カギは4打目のショートアイアン。練習の中心はここに戻る

OBが出た瞬間に、その日のラウンドをあきらめる必要はまったくありません。「前進4へ行って、ショートアイアンでダボを取る」——この段取りを持っているだけで、スコアも気持ちも、驚くほど崩れなくなります。

ティーショットは、思いっきり。スコアは、ショートアイアンで作りましょう。

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OBを織り込んだ100切りのスコア設計と、パーオンではなくボギーオンで組み立てる考え方、そしてラウンドデビューで気をつけたいことは、こちらの3記事でどうぞ。

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この記事を書いた人

独学でシングルハンデになったゴルファー。100切り・90切りの考え方、練習の質を上げる方法、レッスンの選び方を、遠回りした経験ごと正直に発信しています。

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