「ラウンドデビューが決まったけど、正直、楽しみより不安のほうが大きい……」
初めてのコースを前に、そう感じていませんか。スコアはどれくらい叩くのか、周りに迷惑をかけないか、マナーを知らずに恥をかかないか。私も初ラウンドの前日は、ワクワクよりも緊張のほうが勝っていたのをよく覚えています。
先に安心してほしいのですが、デビュー戦で上手く打てる人はいません。私は今でこそシングルハンデでプレーしていますが、デビュー戦はミスの連続でした。それでもゴルフを嫌いにならずに済んだのは、「上手さ」ではなく「周りへの気配り」さえできていれば、初心者は温かく迎えてもらえるスポーツだと知ったからです。
この記事では、独学でシングルまで到達した私の経験から、ラウンドデビューで本当に気をつけるべきポイントを5つに絞ってお伝えします。技術の話はほとんど出てきません。この5つを押さえておけば、あなたのデビュー戦は「また行きたい」と思える一日になるはずです。
ポイント①:初心者だけでラウンドに行かない
同伴者は必ず「経験者」を入れる
ラウンドデビューで最初に決めるべきは、スイングの練習量ではなく「誰と行くか」です。結論はシンプルで、必ず経験者と一緒に回ってください。
コースには、練習場では絶対に学べないことが山ほどあります。ティーショットを打つ順番、グリーン上での歩き方、カートを停める位置、次のホールへの移動のタイミング。これらは事前に頭に入れていても、実際の場面では「今どうすればいいの?」の連続です。
隣に経験者がいれば、「次はここに立って」「先にグリーンの奥にカートを回しておこう」と、その場その場でフォローしてもらえます。初心者だけのラウンドは、全員が「どうすればいいか分からない」状態になり、進行が遅れて周りに迷惑をかけてしまう危険が一気に高まります。
1組4人なら、初心者は2人まで
組み合わせの目安もお伝えします。1組4人で回るなら、初心者は2人までにしておきましょう。
経験者2人・初心者2人の組なら、経験者が交互にフォローに入れるので、進行に余裕が生まれます。逆に経験者1人に初心者3人だと、フォローする側の負担が大きく、その方自身のゴルフどころではなくなってしまいます。
会社の先輩、ゴルフ好きの友人、家族。誘える経験者がいるなら、素直に「デビュー戦なのでお願いします」と頼ってしまうのが一番です。ゴルフ経験者は、初心者のデビュー戦に付き合うのが基本的に大好きです(自分のデビューを思い出すからでしょうね)。
ポイント②:前後の組に配慮する——ゴルフは「流れ」のスポーツ
デビュー戦で一番大事なマナーを1つだけ挙げるなら、これです。ゴルフ場ではあなたの組の前にも後ろにも別の組がいて、コース全体がひとつの流れで動いています。自分の組が遅れると、後ろの組全部を待たせることになります。
とはいえ、難しいことはありません。意識するのは次の3つだけです。
前の組から大きく離されない
進行の目安は「前の組についていくこと」です。ミスを連発しても、前の組から大きく離されていなければ問題ありません。逆にナイスショットばかりでも、前と1ホール空いてしまったら遅すぎるということです。「スコアより流れ」。デビュー戦はこれを合言葉にしてください。
打つ前の準備は「待ち時間」に済ませる
自分の番が来てから「どのクラブにしようかな」と考え始めると、それだけで組全体が止まります。他の人が打っている間に、クラブを選び、グローブをはめ、素振りまで済ませておく。自分の番が来たら、構えて、打つだけ。
アドレスに入ってからのルーティンも長くしないこと。練習場のように何度も素振りを繰り返さず、1回素振りをしたらスッと構えて打つ。この「待ち時間に準備、自分の番は打つだけ」を徹底するだけで、初心者でも進行の早いプレーヤーになれます。
打ったら、すぐ移動する
打った後、ボールの行方をいつまでも眺めていないこと。打球の方向だけ確認したら、周りの安全に気をつけつつ、すぐに次の行動に移ります。カートに戻るのか、ボールの場所まで歩くのか。「打つ→見る→動く」をワンセットにしましょう。
ミスショットしても、落ち込むのは移動しながらで大丈夫です(笑)。立ち止まって悔やむ時間が、一番もったいない時間です。
ポイント③:移動するときはクラブを2〜3本持っていく
「カートにクラブを取りに戻る」が最大のタイムロス
初心者の進行が遅れる原因で、実は一番多いのがこれです。ボールの場所まで行ってから「あ、この距離なら7番だった」とカートに引き返す。この往復があると、それだけで組全体が数分遅れます。
対策はシンプルで、2打目以降の移動では、クラブを複数持って歩くことです。目安は「使いそうな番手+その前後」の2〜3本。たとえば残り距離が分からないときは、自分が1番自信のあるアイアンとその前後のアイアン、ウェッジ数本を持って行けば、たいていの状況に対応できます。グリーンから100ヤードぐらいまで来たなら、ウェッジ数本とパターをセットで持って、毎回カートに戻ることはやめましょう。
カートの位置をつねに把握しておく
もうひとつ意識したいのが、カートが今どこにあるかです。打ち終わってから「カートどこ?」と探すようでは、また時間をロスします。
基本は「カートは自分より前に進めておく」こと。次に自分が打つ場所より少し先にカートを停めておけば、打ったあと前に歩くだけでカートに合流できます。このあたりは経験者の動きを見ているとよく分かるので、デビュー戦では同伴の経験者のカートさばきをぜひ観察してみてください。

ポイント④:練習マットと芝は別物——「思っている以上にダフる」
マットは、ダフりをなかったことにしてくれる
技術面でひとつだけ、デビュー前に知っておいてほしいことがあります。それは、練習場のマットと本物の芝はまったくの別物だということです。
練習マットは表面が硬くて滑るので、多少手前を叩いてもクラブが滑ってボールに届いてくれます。つまり、練習場では「ダフっているのに、ナイスショットに見える」ことが頻繁に起きているのです。
ところが芝の上では、手前に入ったクラブは地面に刺さって止まります。練習場では気持ちよく打てていたのに、コースに出た途端にダフリの連発——これはデビュー組の全員が通る道です。私のデビュー戦も、まさにこれでした。
対策は「ボールだけをクリーンに打つ」意識
デビュー戦での対策は、スイングを変えることではありません。「思っている以上にダフるものだ」と知った上で、ボールだけをクリーンに拾う意識を持つことです。
具体的には、フルスイングをやめて、番手をひとつ上げたコンパクトなスイングで打つこと。飛ばそうとして大きく振るほど、ダフリは出ます。「7割の力で、ボールだけを当てるイメージ」。デビュー戦はこれで十分ですし、結果的にそのほうが前に進みます。ターフを取ろうなんて考えてはダメです。
デビュー戦までに基本を固め直したい方は、上達の正しい順番をまとめたこちらの記事をどうぞ。

ポイント⑤:上手くいかなくて当たり前。楽しんで、課題を1つ持ち帰る
スコアは気にしない。デビュー戦の目標は「また来たい」と思うこと
ここまで注意点を並べてきましたが、最後のポイントはこれです。デビュー戦は、上手くいかなくて当たり前。だから、思いきり楽しんでください。
デビュー戦のスコアは130でも140でも、まったく問題ありません。今シングルで回っている人も、全員がそこからスタートしています。ミスを数える一日ではなく、「芝の上から打てた」「1ホールだけ上手くいった」を数える一日にしましょう。青空の下、コースを歩いて、仲間と笑って、楽しんで帰る。それだけでゴルフは十分に楽しいスポーツです。
「次への課題を1つ」だけ持って帰る
そして、楽しんだ上でひとつだけ。ラウンドが終わったら、「次への課題」を1つだけ決めて帰ってください。
「アプローチで何度もザックリした」「ドライバーが全部右に行った」——なんでも構いません。ただし、欲張って3つも4つも持ち帰らないこと。課題は1つに絞るから、次の練習場での目的がはっきりするのです。
ラウンドは、練習の成果を試す場であると同時に、次の課題を見つける場です。この「ラウンド→課題→練習→ラウンド」のサイクルを回し始めた人から、100切りへの道が始まります。
ラウンドで見つけた課題を練習場で解決していく方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

もし「デビュー戦までに最低限ボールに当たるようにしておきたい」「変なクセがつく前に基本を固めたい」という方は、短期間だけプロに見てもらうのも近道です。ライザップゴルフはマンツーマンなので、「ラウンドデビューが◯月にある」と伝えれば、そこから逆算したレッスンを組んでくれます。まずは、体験レッスンで、気軽に試してみてください!
まとめ:5つのポイントをチェックリストで
最後に、この記事の内容をチェックリストにまとめます。前日の夜にもう一度見返してみてください。
| ポイント | ひとことで言うと |
|---|---|
| ①初心者だけで行かない | 経験者と回る。1組の初心者は2人まで |
| ②前後の組に配慮 | 前の組についていく。準備は待ち時間に、打ったらすぐ移動 |
| ③クラブは複数持って移動 | 2〜3本持って歩く。カートは自分より前へ |
| ④マットと芝は別物 | 「思っている以上にダフる」前提で、コンパクトに打つ |
| ⑤楽しむ | スコアは気にしない。課題を1つだけ持ち帰る |
見ての通り、5つのうち4つは技術の話ではありません。つまりラウンドデビューの成功は、練習量ではなく「心構えと気配り」でほぼ決まります。
デビュー戦を終えたら、次の目標は100切りです。あなたのデビュー戦が、長いゴルフライフの最高のスタートになることを願っています。

100切りは「全ホール ダボでもOK」というスコア設計です。実際のスコアがいくつになるのかは、こちらの早見表で確認できます。

